Lumosityは本当に脳に良いのか？

Lumosityはなぜ高額なプランを提示出来るのか

最近いろんなところで脳トレゲームアプリLumosityのアドを見かけるので暫く無料版をやってみました。確かに脳みそに良さそうなイライラするゲームが満載なのですが、有料プランは月1500円、年間プランでも8200円とオンラインゲームというくくりではかなり高額な設定となっています。

この高額設定の根拠になっているのが世界中の研究者の研究成果をもちいて開発した認知トレーニングゲームによって脳神経の可塑性に働きかけ、脳みその働きを改善するというものです。軽度の認知症患者のトレーニングにも利用されているとか。

そこで実際この手の脳トレゲームが本当に脳みそに効くのかという疑問を扱った記事がありましたので紹介します。

結論からいうと、多くの偏りのない研究を参照する限り、Lumosityが宣伝しているような効果は少し大げさで、トレーニングを続けても必ずしも普段の生活に違いが出るほどの効果は得られないだろうとのことでした。

Lumosityがより所とする神経可塑性と認知予備力

多くの脳トレゲームは神経可塑性と認知予備力の2つの理論の元に作成されています。神経可塑性とは2004年にドラガンスキー博士らによって明らかにされた脳神経の特徴です。その研究によって成長期を過ぎて大人になってからでも、新しい事を学習すると脳神経に新しい変化が起こり、その変化は長期的に継続することがわかりました。

また認知予備力とは、年齢や脳の病気（認知症）などによって低下する脳の機能は、より頭を使うことによって鍛えられた神経活動によって補完出来るという考え方です。つまり筋力と同じように、脳も鍛えれば強くなるという考え方です。

脳トレゲームは認知テストの実験をベースに作成されているので、ゲームを続けて慣れる事によってスコアが上がっていきます。（他のゲームと同じです）しかし脳トレゲーム　はあなたの脳みそがゲームをプレイするのを上手することには貢献しますが、実生活の問題解決に対しては影響がないという研究結果が多数存在するそうです。

さらにLumosityは神経科学の研究成果や博士の存在をホームページ上でアピールしていますが、その研究や博士たちの多くがLumosityから資金援助を得ています。

またスタンフォード長寿研究センターは声明の中で、これらのゲームが主張している「アルツハイマー病に効く」という事に関しては明確な科学的根拠が示されていないことを問題視しています。

Lumosityは脳みそに効果があるのか？

この記事の執筆者によると、脳トレゲームは論拠とするべき理論があるが、現時点では結果が出ていないため、この分野は更なる研究が必要だといった趣旨で閉じています。

2014年の研究では、LumosityよりPortal２というゲームをプレイした学生の方が、問題解決能力、空間把握能力、持続性において格段に高い効果が認められたそうです。つまりこの分野はまだ発展途上にあり、Lumosityのようなマーケティングが上手い、未完のゲームに大金を払うのは少し待った方が良いというのが結論のようです。

脳みその機能を若々しく保つためには、適度な運動、適切な食事、新しい事に挑戦すること、新しい人々と出会うことなど、従来の科学で証明されている方法が沢山あり、実生活に取り組むことができるので、脳トレゲームに過度な期待を寄せるのはまだ時期尚早のようです。